女性の起業は、「女の人生」と背中合わせです。そんな現実とどう向き合うのか、どう乗り越えていくのか、女性が起業を考えるときは皆、そんな不安が頭をよぎるのではないでしょうか。

　こんにちは。福井県の起業家向け相談窓口や起業セミナーを企画・運営している「ふくい創業者育成プロジェクト」事務局の岡田です。

女性の起業は、「女の人生」といつも背中合わせ

　女性の起業とは、いわゆる「女の人生」と背中合わせだと私は思っています。
　結婚、出産、子育て、介護、体力の衰え。
　人生を左右する大きなターニングポイントを、いつ、どんなタイミングで迎えるのかで事業の方向性すらも左右されてしまう、自分の問題だけでは片付けられない現実が、いつも背中合わせにあります。
　そんな現実とどう向き合うのか、どう乗り越えていくのか、女性が起業を考えるときは皆、そんな不安が頭をよぎるのではないでしょうか。

迷いながらも一歩一歩前進～年始にうれしいメッセージ

　年始にうれしいメッセージをいただきました。

　《前半省略》
　迷いながらも、一歩一歩前進できるようがんばります。また、講座にも参加させてください。
　（起業準備中／40代女性）

　彼女は起業を目指している40代女性です。2015年に初めて女性創業セミナー＆交流会「Meet Up☆スクエア」に参加されて出会ったのをきっかけに、１年以上のお付き合いになります。
　彼女は、起業する上でのスキルや知識、経験を十分兼ね備えているのですが、家族の理解や資金面などにまだ課題があり、起業のタイミングを模索していらっしゃいます。気持ちに勢いがついているときもあれば、やりたい気持ちに現実が追いついてこない状況に焦りを感じていらっしゃるときもあり、悩む彼女に、私もどうやって力になればいいのだろうかと考えてきた１年でした。
　新しい年を迎え、気持ち新たにがんばろうとしている彼女からのメッセージをいただいて、私自身もうれしい気持ちでいっぱいです。

「Meet Up☆スクエア」の講師 農家カフェオーナーの藤井和代さん

　2017年1月14日開催の女性創業セミナー＆交流会「Meet Up☆スクエア」の講師は、農家カフェオーナー藤井和代さんです。藤井さんから伺う起業体験談には、「女の人生」を背負った等身大の起業家の姿がそこにあります。

　藤井さんは長年、医療従事者としてやりがいのある仕事について働いていましたが、あるきっかけで、家庭との両立の壁にぶち当たりました。１～２年かけて悩みに悩んだ末に、起業を決意し、退職。商売道具であるピンクの移動販売車が出来上がったとき、喜びというよりむしろ、後戻りできない現実と抱えた借金でとても憂うつになったそうです。

　起業後は、起業時に立てた事業計画書をもとに事業を運営し、大きな借金でしたが、着実に５年で完済したという藤井さん。事業も軌道にのり、いよいよこれからという時に、今度は、次の目標をどうやって見出していけばいいのかわからずモヤモヤが募りはじめたと言います。
　「借金が無くなった途端、次に何を目標にしていいのか途端にわからなくなりました。体力の低下も重なって、続けること自体が目的になってしまい、目標のもてない苦しい時期が２年近く続きました。」と藤井さんは語ります。

　そんな時、藤井さんの支えになったのが、お客さまの存在だったそうです。

　今まで自分がお客さまに元気を与えていると思っていました。でも、自分の方が、来てくれるお客さまから元気をいただいていると気がついたんです。

　起業して８年経ち、ようやく、”商売のだいご味”を感じはじめているという藤井さん。藤井さんもまた、悲喜こもごもの「女の人生」を背負って、起業人生を歩まれていらっしゃいます。

Meet Up☆スクエア「農業もビジネスも、照る日、曇る日、雨の日がある」

　Meet Up☆スクエアとは、男女のメンターが進行し、先輩女性起業者に起業体験談を語っていただくトークセッション形式の女性限定の創業セミナーです。今回は、農家カフェオーナーの藤井和代さんを講師に招き、起業してから8年間の悲喜こもごもを語っていただきます。起業体験談の他、事業計画を立てて着実に実行する秘訣なども、当日のセミナーでは伺えるのでないかと思います。
　起業に興味のある方、何か新しいことにチャレンジしたい方なら、どなたでも参加できます。ぜひお気軽にご参加ください。

◆今日のつぶやき◆ 　私も、30代の頃に起業していました。40代になって今の職場に就職し、現在に至ります。起業を決意したきっかけも、一旦自分の事業を整理しようと決断したきっかけも、いずれも出産や子育て、病気や看護といった状況が背景にありました。たとえ事情や制約があっても、後悔のない起業人生・職業人生を歩みたい！そんな思いが、私の場合は原動力になっていたように思います。（岡田留理）

■問合せ先

公益財団法人ふくい産業支援センター
創業・Eビジネス支援グループ 岡田
Tel：0776-67-7416
E-mail：ebiz-g@fisc.jp
HP：https://www.s-project.biz/

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岡田 留理（おかだ るり）

公益財団法人ふくい産業支援センター職員。特定社会保険労務士。 開業社労士時代は、中小企業の顧問、労働局の総合労働相談員、人材育成コンサルタントを経験。2015年にふくい産業支援センターに入職した。 2015年よりふくい創業者育成プロジェクト（現ふくいベンチャー創出プロジェクト）を担当。2017年に「福井ベンチャーピッチ」を立ち上げ、県内ベンチャー企業の登竜門となるピッチイベントへと成長させる。2018年、近畿経済産業局が取りまとめる関西企業フロントラインにて、関西における「中小企業の頼りになる支援人材」として紹介された。 ★President Onlineに寄稿した記事→http://urx2.nu/pVYq

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